下記のような症状は潰瘍性大腸炎の可能性があります
- 激しい下痢が続いている
- 便に血が混ざっている
- 発熱
- 長期間の血便による貧血
- 体重が不自然に減少している
大腸の一番内側の粘膜に炎症が起きて、潰瘍やびらんができる炎症性疾患の一つで、厚生労働省の特定疾患に指定されている「難病」です。また、炎症が腸管壁まで進行することで合併症を引き起こしてしまいます。重症患者は少なく90%が軽症から中等症の方ですが、長時間放置すると、癌化することもあります。
腸内に住む細菌の働きや自己免疫反応の問題、食生活の乱れなどが原因と考えられてはいますが、潰瘍性大腸炎の根本的な原因はまだ解明されていません。遺伝の可能性も検討されてはいますが、明確な証拠は見つかっていません。
まずは問診により、症状の経過や病歴を調べます。その後、血液検査と便検査により、他の感染症への感染の可能性を消去していきます。しかしこれだけでは、まだ確定できないため、大腸内視鏡検査により、潰瘍や、炎症の範囲を直接観察します。粘膜の一部を採取して病理検査(粘膜の詳しい検査)を行い、そこで潰瘍性大腸炎と確定診断を行います。
当院は、消化器・内視鏡専門の医療機関として、患者様皆様に大腸カメラを安心安全快適に受けていただけるよう日々対策しております。冒頭の症状に該当していたり、潰瘍性大腸炎かもしれないと不安な方は、是非下記より大腸内視鏡検査の詳細をまずはご覧ください。
2つの方法、内科的治療と外科的治療があり、主体となるのは内科的治療です。炎症には炎症が強い時期である「活動期」と呼ばれる状態と、症状が収まっている「寛解期」と呼ばれる2つの状態があります。「活動期」の時は、症状を抑える薬を、「寛解期」の時は寛解状態を維持するための薬を使い治療します。したがって、症状が収まっていたとしても、処方された薬を飲み続けることが重要です。外科的治療は、内科的治療の効果が見られない場合、または内視鏡検査にて多量の出血や、穴が開いていることが確認された場合、癌の疑いがある場合などに実施され、大腸の全てを摘出します。全摘出後も、近年は小腸で便をためる回腸嚢と呼ばれるものを作成することで、術後は特に術前と変わりない生活を送ることができます。
薬物療法では、
といった薬を使います。症状の重さに応じて、薬の強さも変化させます。
潰瘍性大腸炎は、難病指定されている通り、完治が難しい病気です。適切な検査・治療によって寛解状態(症状が落ち着いている状態)を維持し、再燃(症状が悪化している状態)を抑制することを繰り返していくことになります。症状悪化防止のためには、専門医による適切な治療が必須です。当院では、患者様の精神的なストレスの背景も丁寧に考慮したうえで、診察・治療を実施しております。まずはお気軽にご相談ください。